前からは巨大ミミズ

右からは巨大ゴキブリ

左からは巨大ムカデ

そして後ろからは巨大なクモ。予期する暇も無い、突然の襲来。

各々が迫る。猛スピードで迫る。奴らは間違いなく、俺という人間を目印にして道筋を定めている。ものの数秒。たったそれだけの時間だって言うのに、奴らの持つ剥き出しの眼球に映る、俺の狼狽した姿が、俺自身でも視認できるほどに、奴らは俺に向かって迫ってきていた。
もっとも俺にはミミズが俺を見ているのかどうかなんて判らないし、そもそもアレの考えてることなんざ、ワカりたくもねえ。でかくなくても、それに例外はないな。それこそ絶対だ。

まあそれは置いとけ。そんなこと言っている間にも、奴らはどでかい牙と爪で、それこそ手薬煉引いて、この俺を頭から食っちまおうとしていて、まあ要するに、そんな感じのことを狙っていやがるんだろう。客観的に見て余裕なんつうもんが今の俺にあるはずが無い。

……。
 
……んー。

ん。あー、ま、なんだ。あんなこと抜かした端からで、すげえ”なん”ではある。それは理解してる。そりゃあもう自分のことだ。それも急場。理解してないなんて許されんよな。

……で、もちろん許されはしないんだが。

もしも、もしもだ。奴らの狙いがそうだったとして、ついでに俺自身がびびっちまって震えちまって、挙句の果てには足が竦んじまっていたとして、って、あー、もうついでだ、ここまできたらおまけもつけとくか。で、俺が○○○○(自虐が過ぎるため自主規制)だったとしても、だ。ああ、そう。もう、ぜんぜん問題がねえ。こっちもあっちとおんなじ。そもそもそんなもんが問題になるわけがねえんだ。

といえちまうのも、まあ、これは一種の未来視みたいなもんで、悪く言えば単なる現実逃避みたいなモンなんだが、な? そう。実は…
 
 
そのときにこそ。そのときにこそ俺は「空」を――飛べるようになる>挨拶
 
 
非現実には非現実で立ち向かう必要があると思うのですよ。

ノシ

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