前提として、まず等号が不適切である。
単純に考えても俺はお部屋ではないし、
ましてや他人×5でもない。
俺から言葉を引くだけで、俺、お部屋、他人×5が生じるなんて事、通常ではあり得ない。
強いてあげるならば、等号は矢印にすべきだったのであろう。

俺が消える。それは別に良い。
が、やはり等号は、矢印か、あるいは同等を示さない他の何かに置き換えなければならない。
そうしないと、
せっかく残ってくれた言葉も、お部屋も、他人×5も、まとめて、さくっと消えちまう。

…でもね。

本当に大事なのって実は一つだけなんだよね…。

だから、さ。

                            他のは
     消えてくれていいよ。
 
 
振り返ると、どうしても悔いてしまう。
かといって前ばかりを見ていると、背後からは湿り気を帯びた視線を感じる。
それでいいのかと助言までしてくる。
そうしてまた振り返る。皺の無い22年が影を落とす。
嘆け嘆け。一方通行の進行方向から野次めいた喚き声が逆流してくる。
後ろ。前。いるのかいないのか良くは判らない、そんな希薄な存在感によって、俺自身は俺自身の今をびっちりとサンドイッチ。
もしかしてアタル面積を小さくすれば、ちょっとはマシになるかもしれない。なんて、そんな子供染みた思い立ちが脳裏をよぎる。

そうして俺は、ためしに、横を向いてみた。

するとどうだろう。

道が、そっちに伸びただけだった。

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