頭遺体2

2005年10月31日 Fiction
「どうしたの、それ」僕は訊いた。

    かずくんの。

女は応える。

    僕と女の共通の知人。それがカズ。
 
 
 
 
 
気がついた僕は、脇に捨てていた白くて細くて長い棒を、ここから一番遠いところにある壁に向けて投げつけた。

――聴こえない。枯れ木の転がる、からからと鳴る悲鳴が聴こえない。

…ぎゅっと抱きしめる。

浅黒い、丸太のようなカズの右腕。まだ少し暖かい。
さっき握った白い棒は、もっとずっと冷たかった。嘘みたいに軽かった。まるでプラスチック。

骨。

小休止。安息…。

ぬくもりを感じながら僕は、再び、浅い眠りに堕ちた。

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