ウタカタ

2006年7月25日 Fiction
痛々しく裂けた下唇に 犬歯を突き立てるアタシ
かさついている瘡蓋の感触 思い出すのなら血の味の方が好いわ

それにしても いったい誰のついた嘘よ
鉄みたいなニオイがするだなんて
何度も何度も嗅いだのよ 呆れちゃうくらいに鼻を近づけて

あなたの 匂いしか しないじゃない!

「ねえ 騙すの?」
「ねえ 騙していたの?」
 
 
 
「――」「――」
 
 
 
あれから

時の足は揮わないまま
いつか忘れるときがきたって
それは嘘
あたしはウソをつくの
 
 
 
「だって」
 
 
 
 
天野月子 戸倉弘智 CD ポニーキャニオン 2006/05/31 ¥1,050ウタカタ
ウララカ

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