2006年7月29日 Fiction
眠気を散らすのに頬をつねる
一時的には有効だ

ただし
その程度の軽微な痛みは
残念ながら
瞬く内にもそそくさと
その与えられた持ち場を
放棄してしまう

更に残念なことに
つねった頬には
むしろ
あたかも残滓のごとき
まだらな気だるさが
居座ることとなる

この気だるさは他でもない
たったいま放逐を誓ったはずの
睡魔に
みすみす新たな援軍を許す
唾棄すべき愚行

全身に行き渡るよう注入された
掴みどころの把握しにくい
倦怠の心地よさに
身内は速やかに支配され
掌握はある一つの献上を余儀なくさせる

ただでさえぼんやりとしている心地を自らで追い撃つ
あろうことか
あろうことか
 
 
既に
わたくしが何を 申し上げたいのか
ご理解頂けたかとは 思うのだが――

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