視界を遮ってく人の群れの中で わたしを知るものなど いないと気付く
2006年10月23日 Fiction風見鶏をへし折った
誰からも自由になった彼を胸に 靴音を響かせ
高く高く丸太の橋を飛び越えた
邪魔な道は蹴って落とした
そこで足を留めた
気付くと体が硬直していた
轟音が辺りを一喝した
水しぶきが身長を超える高さまで跳ね上がった
崩折れる水の壁の欠片が一斉に襲い掛かった
判断も何もなくとっさに顔を両手でかばった
はっとした
目を落とすと風見鶏がぬかるみに突き立っていた
見つめる視線に気付いたのか
彼はまるで見てくれるなとばかりに
やけに重い音を立てて倒れた
全身をそれは汚した
どうしてだろう
げほげほと咳き込んだ
咽の奥で鉄錆が染み出す気配がした
誰からも自由になった彼を胸に 靴音を響かせ
高く高く丸太の橋を飛び越えた
邪魔な道は蹴って落とした
そこで足を留めた
気付くと体が硬直していた
轟音が辺りを一喝した
水しぶきが身長を超える高さまで跳ね上がった
崩折れる水の壁の欠片が一斉に襲い掛かった
判断も何もなくとっさに顔を両手でかばった
はっとした
目を落とすと風見鶏がぬかるみに突き立っていた
見つめる視線に気付いたのか
彼はまるで見てくれるなとばかりに
やけに重い音を立てて倒れた
全身をそれは汚した
どうしてだろう
げほげほと咳き込んだ
咽の奥で鉄錆が染み出す気配がした
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