雪花菜

2007年2月11日 Fiction
ふれたらこぼれてしまいそうな尾根は見る間に積もり、
いつしか、さざんかのドレスは、その子らのほしいままとなった
もはや好きにあつかうわけにはいかないのだ、と

摘み取られる値打ちにかげりのさした寸陰、それを見逃されたこと、見逃したことを惜しむのは、欲張りの証拠なんだ

いつ雪崩れおちてくるかもわからない、
単色のおのれにただほんの少しだけ似ている、
ただ、それだけの山並み

あの届かぬ山阿へとおもいを寄せたがるわたしは、これを支える力を失うそのときを、いまとなっては待つばかりなのでしょう

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