やだ、いやだよ、あの黒い屋根で休むのはやめておこうよ、
口を開くよ、ふたつにわれてぼくらを食べてしまう、あれは口、じょうずに歯をかくしているけれど、
近づくか、ましてや足をつけたりなんてしたら、あれは正体をあらわすよ、大喜びでぼくらをその胃のかたすみにしまおうとするよ、
ぼくらの友達だったあいつとおんなじ目にあうよ、二度と会えないと思っていたかれにお目にかかる羽目になるよ、
そんなのはごめんだ、ごめんだ、ごめんだ、なにか、なにか、なにか、なにかが、身をまもるなにかを、
そうだ、そうだ火だ! 火だ火だ火だ! 火だよ。火をつけよう! 火をつけてやろうよ、
これは、これは敵討ち、そう敵討ち、敵討ちなんだ、
あれはそうされても仕方がない、当然、わるいのは黒い屋根、黒い屋根は燃やされる、どうしてか燃やさないことには、ぼくらは、ぼくらのともだちも、みんなみんなみんな保存、保存されてしまう、あれの片すみに閉じ込められてしまう、いっしょにされてしまう、いやだいやだ、そんなのは耐えられない、みんなみんな殺されてしまえ、おもいたくないよ、ぼくはこんなおもい、ことばにしたくはないんだ、なにも話したくなくなってしまうんじゃないか、おもいたくはないんだよ、もう、もう、もういちどは、なくて。
黒い屋根はみるみる遠のき、つま先についた煤を払えよと、走る少年の群れの中で、誰かが硬く笑う
口を開くよ、ふたつにわれてぼくらを食べてしまう、あれは口、じょうずに歯をかくしているけれど、
近づくか、ましてや足をつけたりなんてしたら、あれは正体をあらわすよ、大喜びでぼくらをその胃のかたすみにしまおうとするよ、
ぼくらの友達だったあいつとおんなじ目にあうよ、二度と会えないと思っていたかれにお目にかかる羽目になるよ、
そんなのはごめんだ、ごめんだ、ごめんだ、なにか、なにか、なにか、なにかが、身をまもるなにかを、
そうだ、そうだ火だ! 火だ火だ火だ! 火だよ。火をつけよう! 火をつけてやろうよ、
これは、これは敵討ち、そう敵討ち、敵討ちなんだ、
あれはそうされても仕方がない、当然、わるいのは黒い屋根、黒い屋根は燃やされる、どうしてか燃やさないことには、ぼくらは、ぼくらのともだちも、みんなみんなみんな保存、保存されてしまう、あれの片すみに閉じ込められてしまう、いっしょにされてしまう、いやだいやだ、そんなのは耐えられない、みんなみんな殺されてしまえ、おもいたくないよ、ぼくはこんなおもい、ことばにしたくはないんだ、なにも話したくなくなってしまうんじゃないか、おもいたくはないんだよ、もう、もう、もういちどは、なくて。
黒い屋根はみるみる遠のき、つま先についた煤を払えよと、走る少年の群れの中で、誰かが硬く笑う
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