、くちびるの外側をおおっているものに前歯をかるくひっかけ、ぴんと張る、露見された中身をそっと舌で押し出す、
ちぎった裂け目から、そっとそっと、消毒液にひたされた脱脂綿はどこかひんやりとして、
じょくじょくと熱をおびた傷口の、つんざく悲鳴は、わたしに声をあげさせる、短く消え込む、
作り声めいた、音吐、完全ではない、ほぼ透明な溶液の膜につつまれた真綿にやどる、トリコロールのなりそこないの影がやどる、かのじょは、その“脈拍”を感じられまいと、接したゆびさきを拒む、
汚らしくいびつな変貌を好む。
ちぎった裂け目から、そっとそっと、消毒液にひたされた脱脂綿はどこかひんやりとして、
じょくじょくと熱をおびた傷口の、つんざく悲鳴は、わたしに声をあげさせる、短く消え込む、
作り声めいた、音吐、完全ではない、ほぼ透明な溶液の膜につつまれた真綿にやどる、トリコロールのなりそこないの影がやどる、かのじょは、その“脈拍”を感じられまいと、接したゆびさきを拒む、
汚らしくいびつな変貌を好む。
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