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2009年8月30日 Fiction
気に入ってたよ。それ相応に、だけどね。

 なんとも上から目線だな。同級生。

へりくだるつもり、ないよ。おんなじ位置に立ちたくないし。あの頃からあたしの趣味が変わっちゃったんでなければ、あんたが変わったんでしょ、同級生。嫌いだよ。ともかく訳を訊かせなさい。

 お眼鏡にかなっていたとは光栄だな。しかし度の合わない眼鏡はさぞ辛かったろうな。俺はあの頃のままさ同級生。同級生の人をみる眼が磨かれただけだろうさ。つまり、どこにもマイナスはない。俺はあの頃から今までただただ現状維持。同級生は順調に成長中って訳だ。これは喜ぶべきところだぜ同級生。おぅ、万々歳だ。おめでとう、おめでとうってな同級生。
 
 
 
――気に入らない。もう、これ以上の理由は、考えつかないだろう。考える必要もないのだろう。思考が意味をなす領域は彼方後方にとうに過ぎ去っている。

もう終わった。

気に入らない。

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