漠然と世界と称することに抵抗を覚えないではない。無二でありながら無限の広がりを秘める--一人の人間の持つ主観ですら一つであるはずがなく、秘めるも何も無く正しく無限なのだが--世の中を、たった一言で手の内で従わせるだけの説得力などいかなる言葉でも表現可能とは思えない。あるストーリーで世界は滅びの危機に瀕しているかも知れない。それは共通認識での世界の滅びと理解される。一方で滅亡の阻止のされ方は、何者かの主観に基づいた方法である場合が多い。結果的に世界は救われる。しかし副次的だ。何者かの意図は別にある。そしてその意図こそ重要だ。個のモデルが反映されたものでなければならぬ。すなわちそれが世界だ。抽象的に安易にイメージされる世界であってはならない。一つの物語は軽くは無い。借り受ける以上、無責任な世界は許されない。
油断しているとすぐに鎌首をもたげる。世界は怖い。
油断しているとすぐに鎌首をもたげる。世界は怖い。
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