埋没

2007年4月15日 Fiction
網を投げて かならず捕らえられるとかたく信じて
みなもに手をさらす愚かさにも 応えたのは苦悶ではなく笑顔
水を得た戸惑いは しかし胸をかすめるだけで去る

雪原の砂浜 規則的に打ち寄せる暖かい波は雪を砂へと代える
瞬く間に母の体温は奪われ 母はさらなる子を産む
反逆も容赦も 誰が望むものか

凍えた日々は続く
降りしきるさつき雨にわたしは姉の面影をかざす
そうか。だから占術なのか。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
いい。いいぞ占術。確率を捻じ曲げるすべ。
よくぞ戻られたものだ。
さてわかたれたのはいつ以来のことだったか。
…ああ、まあ、いいさ。それはそれだ。
手厚く、しかし手放しの歓迎をわたしはいたそう。
ん? はは。そうだな。失礼ながら確かに意外ではあったな。
 
 
 
 
 
 
しかし残念でならない。
いまや回すべき玩具も、きみのその手元にはない。
ご存知のことかとは思うが。
予期が、驚くほどのおぼつかなさを帯びてしまう時局も、ままあろうな。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
たのしくなりそうだ。
そうは思わないだろうか。

懐柔

2007年4月11日 日常
ただいま工事中……。

肩と首と背中を胴体からはずし去りたい。

遺体。嗚呼遺体……。

卯月

2007年4月8日 Fiction
冗談が冗談であるうちにも、針は見境いなど持たない。
役割の把持は不要。
もとからそこにはそれがある。

ぷっくらとした紅玉をゆびさきで潰す感触を忘れない。
おなじ身体からはみでたというだけでかけられる、言われのない冤罪を忘れない。
誰もがいまも忘れてく。

掴所

2007年4月8日 Fiction
なんだか丸くなったね。名も知らないキミ……。
みちがえた、かどうかは、きっとみるひとによってそれぞれなんだろうけど。
正直わたしは好みだよ。
あのときよりも……。
 
 
 
だますつもりはなかったんだと思う。
でもどれもこれもが半分と、それとちょっとだけの嘘でできていて、ホントの方は隠せるだけ隠しておいて。
そのときは、まだ比較なんて意味ないんだってこと、わたしは知らずにいたから。

ねえ名も知らないキミ。
永遠不変なんてものをキミがいまだに疑えずにいたのなら、きっと教えてもあげられた。
けれどキミは変わった。
つかみどころをキミは失くした。

さくら

2007年4月3日 Fiction
オカリナの音が桃色のはなびらに酔い染まる。
みずみずしく甘美な腐敗、澱む屑葉はヒールの底のそのまた底。
いのち芽吹かん、はじける兆し。
いまやかすむ、うがたれた残滓。赤茶色いバトンが、そこかしこにころがりねむる。

目撃したのは、ちぃちぃと鳴く、この子あの子。

鬼太郎

2007年4月1日 日常
変換候補の中に“鬼太郎”が用意されているとは思わなかったけどね。
 
 
 
なにはともあれ、まさかこのご時世に
「君の後ろに!」と指を差される羽目になるとは思わなかった。ある意味新鮮だった。
それといい、OPの、お約束の“隠し方”といい、これはもう狙ってベタをかましているとしか思えません。
ネコの移動シーンがなんかファミコンのワンシーンみたいで、不覚にも燃えかけたのは秘密です。
 
 
 
総合すると、年配層も狙ってるよねってこと。

捏上

2007年4月1日 Fiction
思い込みが激しいとはちょっと違う
受け入れ態勢を整えておくべきではないのかもしれないと何度おもったか知れない
けたたましい音
冷静であるなしを問う能力
たりないものを発見する直感と反比例のかんけいにあるというのなら
ボクの内部では、欠点と、とりあえず名づけられる
最悪と称するのはボクのつくりやまいだから

無意識の詐病を克服しないことには。
ボクはこの日を楽しめない。

転換

2007年3月31日 Fiction
キレイだねってほめるから。ついつい調子をあわせている。わたしはわたしを人見知る。
姿見に映る帽子の、わたしのお気に入り右側、映る角度を調整。
臆面もなく。なぜにお耳に入れさせたがったの。
ふたりともおんなじ。なにも変わらない。そのなにもかも、もれなく気にいらなくて、ほーらこの人また不満顔してる。
義務みたいなものなら御免ね、直しても直してもどんどんズレていく。わからないのかしら。
…ミリ単位の修正だって、齟齬ははぐくまれるというのに。

 そろそろでかけよう。そのような意味が理解された。承諾はできない。なにせこの齟齬はリアルタイムのできごと、進行速度は独りによらない。あしたまでずれこまないことだけを、どうぞ祈っていてください、ね。そこの当事者さんたち。

――知らないよ。転換されたのはゆきつく先じゃない。
お空には薄い雲。ほどける灰色ブルー。
いまのお気に入り。

追記予定は予定であっ(ry

ノシ
 
 
 
LM.C CD ポニーキャニオン 2007/03/07 ¥2,520未定

野火

2007年3月25日 Fiction
みていられないのなら駆け出せ
 行く先々で同じような光景に出くわしたときにあなたが活躍なさい
ただなかに突入するもよし
 それらにかかわる覚悟、ちゃんと持ち合わせてます?
きびすをかえす道はあちら
 ほうっておく心構えに手回しが未遂じゃありませんか?
 
 
 
 『すべてをあきらめないとほざき
そのことばだけはえらべたんだ』

洗滌

2007年3月24日 Fiction
消せると思うな。鎮まると思うな。
消えても消えても消えても消えても。
そうは思うな。

悪役

2007年3月23日 Fiction
やつらに襲われる恐怖がボクにとっての恐怖でなくなった
奥底か、浅いところか、捨てられないものを封じ込めるやりかたをボクは学んだ
オトナっぽい芝居の打ち方はまだひとつも知らないけれど
黒いムチを、かれは振るう

破損

2007年3月21日 Fiction
弊害が生じる。だから排斥する。ほかにも理由はいろいろとあるがどうだ、これでも動機としてぐらいなら十分に通用するだろ。
むざむざ打ち倒されろとは言わない。つっても打ち倒されるなとも言うつもりはない。どうしてもというのであれば煩わしさを極力排除可能な自決をすすめる。
そうだな。介錯ぐらいはしてやろうと思っているよ。
 
 
 
あえて問題をあげるとすれば、おまえにとっての自決は他でもない、この俺に殺されることとまんまイコールだってことなんだが。
 
 
 
さてこの場合、最終的に解決される“ある事案”の影響で利益を得る人間、とりわけ最大限に得をする人物が無事見つかるかどうかがちょっとした争点となるわけだが、仮にそれが探し出されたとしても、当人がそのこと自体に気がついていなかったり、その逆で深すぎる認知が、さらなる懸案へのリンクに化ける局面だってある――どちらにしても堂々巡りに陥る危険性が極めて高いという実態は注目に値する。評価するにはあまりに低俗な事象だと言うほかはないが。法の下へ置かれない裁定に価値を求めようと尽力することは、これもほかならぬ君のシュミということになっている。
応援しているよ。

貨幣

2007年3月18日 Fiction
貨幣
あの子が遠い。
はじめから、言うほど近くにいたわけでも、ない。

間柄――。
たぶん親友ではありえない。
友達と呼ぶのだって気恥ずかしいんだ。
知り合い……ね。でも、そんなんじゃ、やっぱり済ませられないな。
 
 
わかってる、そんな曖昧な言葉なんかじゃ、済ませられない。
わかってる、ちゃんとわかっているんだよ。
君に届く位置に、この手は……。……わたしは。
 
 
飛び降りる崖にとっかかりを探すのは命が助かりたがっているからじゃなくて実は単なる自己満足だったんだよね。
わたしはこうした。助かる努力はした。もうこれ以上はどうしようもなかったんだって。

命まではっちゃって。どこの誰の、どんないいわけになるっていうの。
ホークムーンサーガ、エルリックサーガに続き、とうとうエレコーゼサーガまでもが復刊とのこと。
 
 
 
 
ヽ(゜∀゜)メ(゜∀゜)メ(゜∀゜)ノムアコック!!ヽ(゜∀゜)メ(゜∀゜)メ(゜∀゜)ノムアコック!!
 
 
 
それにしても、まさか復刊がここまで進むとは…。

黄麻

2007年3月11日 Fiction
黄麻
役に立つだけの割り振りを授けられているから、つらい。
放り出してしまおう、一念を決意するまでもなかった。
たといありし意味を剥奪されてしまったとしても。
あなたは果実を探り当てる。
呼吸とは死を遠ざけるために行なう、死の儀礼である。
くたびれた靴で、くたびれた世界をすすむ僕らは、この礼法を通してのみ、このくつを脱ぎ捨てる赦しにめぐまれる。
 
     特例が聴き入れられるかどうかだ。
      どこまででも望み薄ではあるが。
       至上の命でもないがゆえに。
 
発起人は誰か。見届け人は誰か。そもそんな人物はいてくれるのだろうか。

そんな。毒突くために育ったわけでもあるまい。うん?
枝道で、くつろぐ花を揺らす露風。
枝葉をすかして注がれる、かれの日差しも、慈雨の萌芽にわが道を譲る。
たちこめだす“むら雲”の一団を、花はぼんやりと見やり、その一方で、蒼白の敷石を、にらむように鳥瞰する、多年のひとりぼっち、漏れるふふと縷々、それでいてその日暮らしの大雑把な吐息。
千言万語の一オノマトペ。
ひたり蝶がとまる。

編みびと

2007年3月3日 Fiction
そうか、そうだったんだって、わかりかけた。
なら、それが例外をゆるさない。
なんで、どうして、なんのために。
いや、それどころでは、そんなはずが――。

反対だ、反対、反対する、
早く、急げ、今すぐに。
その手を切るぞ。

ありとあらゆるものは捨てられることをおぼえないといけない。
微塵を拾いなおす万の労力を意識しないではいられなくなるだろうから。
つくりだす主体と客体をむすびつける糸を、あなたは何製で紡ぐのか。

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